うずうずうず |
「1年の支倉令ちゃんって、凛々しいのよね」
お昼休みの廊下で、そんな話し声が風に乗ってきた。 「いつもキリッとして、隙がないのよ」 「あの涼しげな態度がたまらないわ」 三年生だろうか。 すぐ側を歩いている私に気付いた様子はない。 ここにその姉がいます、などとアピールする必要もないので、私は静かに黙って通り過ぎた。
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薔薇の館。 「令ちゃん遅いわね」 お姉さまがカップを置いて首を傾げる。会合の日に遅刻するような子ではないからだ。 ダダダダダッ…バタン! 全力疾走の音とともに、汗びっしょりの令が姿を現した。 「まあ、どうしたの」
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「すっ、すみませんお姉さま方…実は由乃…いえ、中等部にいる従姉妹が具合が悪くなって病院に行ったとかで…(オロオロ)」 「それは大変ね。こちらはいいから、行っておあげなさい」 「は、はいっ!それでは失礼しますっ」 ダッ…ごち! 「あうっ…」 急ぐあまり前を見ていなかったのか、自分で開きっぱなしにしていた扉に、思い切りおでこをぶつけた。
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うずうず…
ああ、教えてさしあげたい。 本当はこんなにもオチャメさんなんだって…!
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江利子「だからたまらないのよ、令は」 |
2005.1.24 |