ブゥトンと薔薇(1) お仕置き編
失敗してしまった… 麗しの三薔薇さまの前で『カエルの大合唱』だなんて… よりにもよって今日は紅薔薇のつぼみの妹としての最初の一日なのに。 祥子さま…不出来な私を許してください。 いえ、いっそ私を罰してください。 それで私の罪が購えるのなら…祥子さまの妹で居させもらえるなら… 「祐巳。いいわね?」 階段の最上段で振り向いた祥子さまは、やっぱりそうおっしゃって…
つまり、それは、お仕置きがはじまるという訳で… きっと、「手を平らにして出しなさい」なんて… 凛としたあの声で言われるのだ。 「祐巳― ほらね。でも、私、きっと耐えてみせます。 だって、私はお祥子さまの妹。 『紅薔薇のつぼみの妹』なんだから。 ―手を手擦りについて、お尻をこちらに突き出しなさい。」 そう、指示棒で掌を叩かれるぐらい… そのぐらい… って、えっ…『お尻』? 手を手擦りでお尻を突き出す?
それって… それって…… 『尻バット!?』 野球部とかでやったりする、体罰のアレ? だから、私は… まさかと思って… 祥子さまを見上げた。
見上げた祥子さまはやっぱりお美しくて… って、祥子さま、すでにやる気満々!? もうバットまで構えて、バットヘッドまでグリングリン回して… 今時の野球選手はそんなことしませんから… って、…お、お姉さま!! 「ぎゃあ〜!!」
(みゃあ)尻バットって…(笑)。
2005.1.29