ブゥトンと薔薇(4) 幼稚舎の思い出編

 

ここ最近はお姉さまと上手くスキンシップが計れていなくて… 
変な事も色々とあったけれど…
今日はお姉さまとの初デート 
でも、大丈夫かしら。お姉さまファーストフード店は初めてだって…

「残念ながら、こんな事でもないと我が家が他の家と違うという事に気づけないのよね。」 

そうおっしゃったお姉さまは何かを探して右往左往… 
どうも、ナイフをお探しになってたご様子。

「えっ、じゃあ、お姉さまのお家では?」
「悪かったわね。家ではナイフを使って食べるのよ。」 

お姉さま、食べずらそうにハンバーガーを千切って食べられて… 
少し、お労しい姿…

 

 

「そういえば、幼稚舎の頃も周りに合わせようと意固地になっていたわね。…その所為かしら、あの頃の事は良く覚えてないわ。」
「お姉さま、そんな小さな頃から…戦ってらしたんですね。」
「張り切りすぎて、一週間ほど寝込んだこともあったわ。」 

お姉さま、そこまで努力されて世間との差を埋めようとなさって 
少し疲れたようにお顔で昔を思い出される姿は何てお労しい…

 

 

デートは終盤、お姉さまは辞書を買われて… 
私は、『荊の森』以来、たまに読んでいるコスモス文庫の新刊を確認。 
お姉さまは、読書好きで、多分、そのせいも少しある。 
そういえば、お姉さまはどんな本を読まれるのかしら? 
尋ねてみると…

「そうね…祐巳。これなんてオススメよ。」
「えっ、何ですか?」
「聖様が勧めてくださったものだから貴方も気に入るのじゃなくて?」

また、お姉さまったら『聖様』って… 
やっぱり少しはお姉さまもヤキモチを? 
でも、そんなお姉さまを私は…

 

 

「そうですか?」 
言葉にできない思いを胸にしまってお姉様の手元にある本を覗き込む。
タイトルは…うん?

『牡丹と薔薇』 

って、今も世間と戦ってるんですか!! 
でも、絶対それ、誤解ですよ? 
一般的ってほどじゃ…ないですよ!?

 

(みゃあ)一連のタイトルは、このオチのための前フリだったんですね(笑)。分かった瞬間、爆笑。

2005.1.29

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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