真・待ち人来たらず |
ひゅー…。 木枯らしが、校門の横をすり抜けていく。 「…来ないねえ」 「…そうですわね」 ええ、そりゃー来ませんとも。なにしろ最初から、待ち合わせなどしていないんですから。 口にしてしまいそうなのをこらえる。
|
「祐巳さま、もう先にお帰りになってください。冷えて参りましたし」 「え?だめだよ。それを言うなら瞳子ちゃんの方が寒そうだもん。ほら、マフラー片方貸してあげるから」 「い、いいえ結構ですっ」 ああ…美幸さんか敦子さんでも、通りかかってくれないかしら…。 「ところでさ」 祐巳さまが白い息を吐いた。 「お友達って、なんていう名前?」 「え゛?な、名前ですか…ええと、それはですね」
|
ま、まずい…。珍しく核心をついてきましたわ。 名前…名前…ヘタに挙げたら、余計墓穴を掘るような気もしますし…。 ああっ、もうミカさんでもナホコさんでもショウコさんでもいいから、誰か来てっ。 内心でマリア様に助けを求めていると、銀杏並木を歩いてくる人影が一つ。 (来た!来ましたわ!)
|
すらっとした長身に長い黒髪… ってよりによって彼女?!
|
前門の狼後門の虎(笑)。 |
2005.1.31 |