しゅるしゅる きゅっ2

 

しゅるしゅる。
きゅっ。
「まったく。祐巳さまの頭の中では『お姉さま=タイ直し』なのですか?」
「うー。そうじゃないけど、とりあえず出来そうなのがこれかな、と思って」
「出来ていないじゃないですか。ほら、また曲がってる」
「う、ごめんなさい…」

 

 

しゅるしゅる。
「だいたい、自分のタイで練習してもあまり効果があるとは思えませんわ」
「そうだよね。ありがとう瞳子ちゃん。練習台になってくれて」
「べ、べつに礼を言われる程の事ではありませんわ…」
「わ、瞳子ちゃん、照れてる?」
きゅっ。

「そそそそ、そんな事はございませんわ!」
「そう、かなあ?」
「もう、余計な事を気にするから、また曲がっているじゃないですか!」
「うー…」
しゅるしゅる。

 

 

「あーっ、もう!」
しゅるしゅるっ!

「なななな、何するの瞳子ちゃん!?」
「だって祐巳さま、全然上達しないんですもの。瞳子がお手本を見せて差し上げますっ!」
きゅっ!

「わぁ、綺麗・・・」
「ふふん、どんなものです?」
「あのさ、瞳子ちゃん。ちょっとお願いが…」
「何ですの?」

 

 

「今の結び方、よくわかんなかったから、言葉で説明してくれる?」

「・・・・・・・・・はぁぁ」
「なによぅ、ため息なんかついちゃって」

「…祐巳さま。どう説明するかはともかく、ご自分がその言葉を理解して実行に移せるとお思いですか?

「・・・・・・思えない(泣)」

「・・・・・・」
「・・・・・・」


「「はぁぁぁぁぁ・・・・・・」」

 

(あゆスタット)タイにしろリボンにしろネクタイにしろ、理屈じゃないと思います。結び方というものは。

2005.2.4

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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