しゅるしゅる きゅっ3

 

しゅるしゅる。
きゅっ。
「結局、地道に努力するしかない、と」
「そのようですわね。はい、交代です」

しゅるしゅる。
「そういえば瞳子ちゃん、乃梨子ちゃんと初めて出会った時にタイを直してあげたんだよね」
「ええ。親愛の印に、忠告を少々込めまして…祐巳さま、最初から形を作ろうとしても上手くいきませんわ。物事には過程というものがありますの」
「あ、うん。えっと・・・」

 

 

「…少しはマシになったようですね」
「ありがとう。そうか、過程、かぁ・・・」
しゅるしゅる。
きゅっ。
「…祐巳さま、どうかされました?」
「うん。タイ直しで始まった乃梨子ちゃんとの関係が、今や親友だもんね。羨ましいなぁ」
「タイで結ばれた縁、ですわね」
「お、瞳子ちゃんに座布団一枚っ!」
「・・・・・・ばか」

 

 

しゅるしゅる。
「でもさ、こうして何回もタイを直しあっている私たちも、いっぱい仲良くなれそうだよね」
「!!!」
ぎゅっ!

「あー、瞳子ちゃんが動くから、また変になっちゃった」
「いきなり突拍子も無い事を言う祐巳さまが悪いんですっ!」
「わー、人のせいにするなんて、瞳子ちゃんひっどーい」
「ああもう、交代交代!もう一度お手本を見せますから、余計なこと考えずにじっっっくり見ていて下さいっ!」
「はいはい」

 

 

しゅるしゅる。
「じー・・・」
きゅっ。
「じー・・・えへへ・・・」
「…祐巳さま?今度は何の妄想ですか?」
「うん。妹にタイを直されるのもいいかなぁ、と思って

「・・・・・・」

祐巳さま。
第一歩を踏み出す前にリタイアしないで下さい。

 

(あゆスタット)祐巳が妹のタイを直す姿というのが、どうも上手く思い浮かびません。逆はクッキリと浮かぶのですが(笑)

2005.2.4

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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