静ンター・ビレ(余禄) |
フィレンツェに来た祐巳さんたちと 楽しいひとときを過ごしてからはや1年。 静はまたあの場所に来ていた。
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あの日にそっくりな、陽気のただよう日。 こう無為に時を過ごしているとあのかわいい後輩にまた会えそうな気がする。 そう、こっちを見ながらすぐそこを歩いていく少女たちのように、緑を一滴落としたような光沢のない黒い生地の制服を着た・・・
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ん?(汗) 無垢で天使のような微笑をうかべた日本人の少女たちがジェラート片手にこちらをうかがっている。・・・この陽気で溶けかけているジェラートを。 (まさかまさかまさか、いや、そんなわけはないわ。彼女たちは多分リリアン女学園2年生。私のことは知らないはず・・・) そんな静の甘い期待は先頭に立っていた縦ロールの少女の声に打ち砕かれた。
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間違いありませんわっ!祐巳さまの情報によれば、あのお方が私達の祐巳お姉さまに半溶けジェラートを食らわせたロサ・カニーナですわっ! ひぃっ!(泣) 十数余の天使がこっちに向かってくる。その天使たちの片手には、溶けかけのジェラート。 (祐巳さん・・・あんなたわいもない悪戯にそんなに怒っていたなんてっ!) 単に祐巳が下級生に人気で、この事態が祐巳の説明不足と縦ロールの早とちりによって起きたと知る由もない静は迫りくる天使の行軍から逃れながら、絶対にあの後輩に詫びねばと固く誓ったのだった。
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(みゃあ)ジェラート溶けたくらいで…そこまで(^^;。 |
2005.2.25 |