かくせいいでん |
「有馬菜々ちゃん、か」 呟いて、江利子さまは紅茶のカップを傾けた。 例によって唐突に、薔薇の館に襲来中。 その手には、一体いつの間に手に入れたものか、リリアン中等部在籍中の有馬菜々その人のスナップ写真。 ちなみに、撮影・武嶋蔦子、助手見習い・内藤笙子。
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先ほどから、由乃はその存在自体を無視しようとしているのだが、カップを持つ手はぷるぷる震えて、紅茶の表面に細波を立てている。 「ふーん…」 意味ありげに、視線を投げてくる江利子さま。 無視無視…。 「ねえ、令。蓉子と聖は、菜々ちゃんが私に似てるっていうんだけど、どう思う?」 ブッ。
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「えっ?…あ、本当だ。髪を上げたらそっくりなんじゃ…」 げーっほ、げほっ。 「ああ、やっぱりそうなんだ」 またしても、視線を送ってくる江利子さま。 喉奥で紅茶が炸裂して、由乃はそれどころではない。 「…はっ!」 唐突に、江利子さまは立ち上がった。 「?どうしたんですか、お姉さま」
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「私に似ている菜々ちゃんを妹に選んだと言うことは…もしかして、私って由乃ちゃんのタイプ!」 どんがらがしゃーん! 「あ…あ…ぁあ…」 「もしかして在学中、ことあるごとに突っかかってきたのは、好きの裏返し?ずっと熱い視線で見つめられていたのねっ、いやん、江利子はずかしいっ」 「うがぁーーっっ!!」
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由乃大暴走。そして、江利子さま大満足。 |
2005.4.02 |