じめじめ |
しとしと、と降り続く雨を受けながら、視線のむこうに青い傘がゆっくりと回っている。
「梅雨って、さ…」 傘の向こう側から漏れた声に、瞳子はぴくりと小さく肩を震わせた。 何かを思い出すかのような、物憂げな呟き。 自然と足が止まり、縦ロールが揺れた。
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傘、降り止まぬ雨、レイニーブルー――――。
「……いいよねっ?」 くりっと振り返ると、祐巳さまはヒマワリのように、にぱっと笑った。 「………………は?」 かくん、と瞳子のアゴが落ちる。
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「ほら、紫陽花がすごく綺麗だし」 指さす先に、青紫の花が咲き誇っている。 「…あ、ああ。そうですわね…」 拍子抜けしたように、瞳子は頷いた。 「それにこの季節といえば…あっ、いた!」 ごそごそ。 「…?」
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「ほら、おっきなカタツムリ!」 「ぎゃーっ!」 いきなり、目の前にむんずと掴まれたソレを近づけられて、瞳子は1メートルほど飛び退いた。 だらだらだら…。 ソレを手に、誇らしげに笑っている祐巳さまを見て、瞳子は思った。 これは、もしかしてささやかな報復ですか?(汗)
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いや、ただの天然(笑)。 |
2005.07.01 |