ブラック・クリスマス |
「こんばんは」 「瞳子ちゃん!わざわざ迎えに来てくれたの?」 「いえ。たまたま、お買い物のついでに近くを通りましたもので」 「ふーん」 「………」 「…ありがと、瞳子ちゃん」 ぎゅっ。 「なっ…ななんですの?!」
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「メリークリスマス」 「え…?」 「これが私のプレゼント…ってダメ?」 「だ、だめに決まってます」 「え〜。令さまはこれで大喜びって、由乃さんは言ってたのに…」 「と、とにかく早く離れてください」 「じゃあ、すぐに用意するから、上がって待っててね」 「わ、わかりましたから」
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「あ…れ…?祐巳、どっか行くの…か?」 「うん!瞳子ちゃん家のパーティーにお呼ばれしちゃって」 「え…だって、今日は家族水入らずで…って」 「ごめんね祐麒。あっ、そだ。お料理とかもらってきてあげるから、楽しみにしててね」 「あ…………うん…」
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「いってきまーす!」 「どうも、お邪魔いたしました…う、腕を組まないでくださいっ」 「えー、いいじゃない。こうした方があったかいし♪」 「そういう問題では…っ」
いってらっしゃい…の言葉は、既に届いていない。 12月24日のこの日、最後の砦だった姉にも裏切られ、語る言葉を持たない少年だった。 クリスマスなんて、消えて無くなっちまえばいいのに(血涙)
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光の君「はっはっは、早く乾杯しようユキチ」 祐麒「カエレ。」 |
2005.12.24 |