退屈アントワネット |
「蓉子ー。ヒマ。」 ふっ。 「わあ!」 キャンパスのベンチに座って優雅に小六法なんぞを広げていた蓉子さま、耳に奇襲攻撃くらって全身硬直。 真っ赤になってがばっと振り返った先は、まぶしい。
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「江利子?!こんなところで何やってるのよ、あなた」 ここは間違いなく自分の通う大学よね、と異次元に迷い込んだような感覚に囚われる。 「退屈で」 目眩がした。 退屈だからって、在来線で1時間以上離れてる大学まで…来るような人よね、江利子は。 「…あなたね。自分で望んで入った大学なのに、学業をおろそかにしてどうするの」
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ちゃうちゃう、と首を振る江利子。春の日差しが乱反射。 「午後、休講になっちゃって。ヒマ。」 「それだけで、わざわざ、こんなところまで…」 頭痛がしてきた。 「…もしかして、熊男とうまくいってないの?」 ふと、気になったので聞いてみた。 「今のところいたって順調。でも彼、学校があるから」
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「だったら、聖のところにでも行けばいいじゃないの。あっちのが近いでしょう、あなたの学校からだったら」 「んー…」 「なんだったら、高等部に行けば、あなたの大好きな由乃ちゃんがいるじゃない」 江利子は、にこっと笑った。 「蓉子が嫌がるの見る方がおもしろいから」 こ、こやつは…。
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パンがないならケー(略) |
2005.12.26 |