おでん

 

「それは邪道よ、祐巳さん」

 

ずずいと、人差し指を1本立てた由乃さんが、顔を近づけてくる。

「そうかなあ。うちは必ず入れるけど、里芋」

「それは正式なおでんとは言えないわ」

ちっちっち…と由乃さんは人差し指を小さく振る。

 

 

「じゃ、じゃあ、ウインナーとかは…?」

「ウインナー!」

由乃さんは額をペチっと叩いて、OH,NO!というように天を仰いだ。

そんな大げさな。

「祐巳さん、それは大いなる冒涜だわ」

「え〜っ。…の、乃梨子ちゃんはどう思う?」

なんか悔しいので、下級生に仲間を探してみる。

 

 

「そうですね…。実家では、里芋じゃなくてジャガイモを入れてましたが」

「それも邪道よ!」

ビシッと、由乃さんがイエローカードを突きつける。

「関西ではジャガイモも里芋もNGよ」

「別に由乃、関西出身じゃないじゃない…」

「もう、みんなわかってないなぁ」

令さまのツッコミは、容赦なく由乃さんに無視される。

 

 

里芋は立派なおでんダネだと信じて疑わない祐巳は、むぅ〜と口を尖らせた。

「瞳子ちゃんは?瞳子ちゃんは里芋入れるよね?!」

「はっ?! わ、私ですか?…ええと、その…」

もう信じられるのはあなただけ…と言わんばかりの期待を込めた眼差しを受けて、瞳子ちゃんどぎまぎ。

え〜っと、え〜っと…。

「わ、我が家はさ、サツマイモを!

「瞳子。家で作ったことないなら無理しない方がいい」

 

さすがに、サツマイモは聞いたことないなあ(^-^;

2005.12.27

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

お名前  mail

  ご意見・ご感想などありましたらどうぞ。