りそうとげんじつ |
「では、私たちは図書館に寄ってまいりますので」 そう言って、白薔薇姉妹は連れだって薔薇の館を後にした。 「戸締まり、オーケーです」 鍵を確かめた由乃さんは、令さまの元へと跳ねるように歩み寄る。 「今、お帰りですか?」 微かに息を切らした可南子ちゃんが、クラブハウスの方から駆けてきた。 「部活はもういいの?」 お姉さまは可南子ちゃんにハンカチを差し出しながら、バスケ部の話を熱心に聞いている。
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そのすぐ後ろを歩きながら、祐巳は丸い息を吐いた。 「みてみて、もう息が真っ白」 隣を歩く瞳子ちゃんは、いつものようにそっけない。 「そうだね。空があんなに高い」 見上げた薄墨の空には、遠く、薄い雲が紅の照り返しを受けてたなびいている。 「………」 「どうしたの、祐巳?」 少し遅れていたようだ。祐巳は瞳子ちゃんを促して、マリア像の前で待つお姉さまたちのもとへ足を速めた。
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マリア様へのお祈りを終えて横を見ると、瞳子ちゃんは、まだ手を合わせたまま目をつむっていた。 「…お待たせしました」 祐巳と瞳子ちゃんが最後だった。他のみんなは、少し先で二人を待っている。 「ねえ、瞳子ちゃん。私の妹になって」 マリア像を背に、前を向いたまま。 「後悔しても知りませんわよ」 手袋越しに瞳子ちゃんの手を取って、そして二人は歩き出した。
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・・・・・ ・・・ ・・ 「…↑っていうのが理想だったのにぃ!新刊で瞳子ちゃんが…瞳子ちゃんがぁ(えぐえぐ)」 「し、しりません。祐巳さまの妄想です」 「えーん、慰めて瞳子ちゃーんっ!」 「なっ、日本語がおかしっ…ちょ、ゆみさ…ぎゃーっ!!」
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別に波乱が無くていい。日常の中の姉妹誕生。それが作者の願望でした(笑)。 |
2006.1.6 |