ちゅうもく

 

「リリアンって眼鏡をかけている方、少ないですよねー」

 

茶話会の終盤、空気の読めないその子ちゃんが、ぼそっと呟いた。

そういえば…と、互いの顔を見合わせる出席者たち。

視線はやがて、自然に一点に収束する。

 

 

(眼鏡…)
(メガネだ…)
(めがねだわ)
(希少なメガネっ娘)
(蔦子さま…きゃ)
(確かに眼鏡)
(そういや、知り合いで蔦子さんだけだなー)

 

 

「な、何事?!」

視線の集中砲火にさらされて、途中参加の武嶋蔦子さんは、わずかに頬を引きつらせた。

写真を撮るのは得意でも、撮られるのは苦手な蔦子さん。

「な、なんというか…こういう風に注目を集めるというのは、あまり気分のいいものじゃないわね」

 

 

そんな中、彼女を視線からブロックすべく敢然と立ち向かう少女が一人。

責任感は人一倍、視線に対する敏感さも人一倍。

ふわふわ髪が決意に揺れる。

「つっ、蔦子さまをいじめないでくださいっ

わー…笙子ちゃん、それ今めちゃ逆効果

蔦子さんはどこか遠い目で、別の意味で好奇の入り交じった視線が突き刺さってくるのに任せた…。

 

Kの人「わたしも眼鏡、眼鏡をかければっ…」

2006.01.12

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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