姉のぎわく、ふたたび

 

「柏木先輩来たなんて、俺、知らなかったぞ。何で呼ばないんだよ」

祐麒がブーブー文句を言う。

「あ、先輩?ちわーす」

 

…なんだろう、この違和感は。

どうして柏木さんが来たことを教えなかったら文句を言うのだろう。

なぜ、柏木さんの電話番号をそらでプッュできるのだろう。

さらに、このフレンドリーな口調は…。

 

 

祐巳の心に、黒い霧がもーんもーん、と立ち込め始める。

そう考えると、思い当たることがいくつもあるではないか。

 

先日の瞳子ちゃんの一件。

あの時は、それどころじゃなかったから気にも留めなかったけど、やけに手回しよく柏木さんと連絡を取っていた…。

ちょっと前まで、あんなに柏木さんを毛嫌いしていた感じだったのに…。

 

 

文化祭後からこっち、いったい二人にな…に…が…。

 

もーんもーん。

令さまから否応なしに吹き込まれたアレやコレが、頭の中をストームブリンガー。

 

「ちょっと待ちなさい、祐麒!柏木さんに会いに行くつもり?!」

コートを引っかけ、玄関を出かけていた弟を呼び止める。

 

 

「そうだけど?」

「なっ、何の用なの?!

ふいっ…と、確かに祐麒は目を逸らした。

「…別に、いちいち言うようなことでもないだろ」

バタン。

「あ…あわわあわあわ

はっきりとした拒絶に、お姉さん頭がプチパニック。

思わずその場で回ります回ります。

 

怒濤の弟編へっ!(笑)

2006.01.13

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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