まもなく、２番線に快速列車がまいります―――

　

当駅には停車いたしませんので、黄色い線の内側まで下がってお待ち下さい

　

　

　

　

プアァァァン―――

　

ゴォッ…ガタタンガタタンガタタン…

　

　

　

「あ、あの…お姉さま」
「ん？」
「いえ、あの…」

背後から軽く抱き締められて、志摩子さんは戸惑ったように身じろぎした。
どうして…？という目で聖さまを振り仰ぐ。

「志摩子が突風にあおられて転ばないように」
「いやだわ、お姉さまったら…」

私、そんなに子供じゃありません…と言いつつ、頬を赤らめる志摩子さん。

　

　

「あの…もう電車は行ってしまいましたけど…」
「んー。もう少し、こうしていていいでしょ？」
「は、はあ…。？（もじ）」

ギリ、ギリギリ…ッ。

あ。すごい歯ぎしりの音。

乃梨子ちゃん、手玉に取られてるなぁ…と祐巳同情。