二条乃梨子の事件簿「ブー×2殺人未遂事件」 |
ブッブー。 クラクションの音に振り向くと、校門前の道路を見慣れぬ黄色い自動車が徐行しながら近付いてきた。 そう、悲劇はこの時、すでに始まっていたのだ。 「やっほー、祐巳ちゃん。我が孫よ」
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考えてみれば、この人は大学生なのだから、免許のひとつやふたつ持っていても不思議はないのである。 「乗ってかない?」 まるで遊び人かナンパ男のような口調。 「え、遠慮しておきます」 祐巳さまは、明らかに及び腰。 「あれ、つれないなぁ祐巳ちゃん。…で、そっちの人は?」 …そっちの人呼ばわりと、その挑発的な目が、私の普段は眠っている闘争心に火を付けていた。
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「…あの、乃梨子さん。何故私はここにいるのでしょう」 後部座席から、途中でとっつかまえて拾った瞳子が愚痴る。 「困っていたら助け合うのが友達だろう(ぼそぼそ)」 お家柄、こういう小さい車には乗り慣れていないのか、落ち着かなげだ。 しかし、車は思ったよりも丁寧な運転で進んでいく。 「運転、お上手ですね」 礼儀以上のものではない褒め言葉。
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「いや。久しぶりだから勝手が違う」 「え…。久しぶりって、どれくらい…?」 逆算すると、まだ高等部在学中にな…る。 「あ」 彼女は、謎が解けたとばかりに、ぺしっと膝を叩いた。 「なんかおかしいと思ったら、サイドブレーキ引いたまんまだった」 「…すみません、おろしてもらえますか?」
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後ろの瞳子ちゃんも真っ青だ(^^;。 |
2006.01.17 |