ゆきかけない

 

ザック、ばさっ。
ザック、ばさっ。
ザック、ばさっ…。

「ふぅ…」

雪はしんしんと降り積もっていく。
見渡す限りの白銀の世界に、しばし茫然とする。

「思わず、安請け合いしちゃったけど…」

 

 

『困ったわ…朝からみんな出払ってしまっていて』

『雪かきですか?僕、やりましょうか』

『え…でも悪いわ』

『はは。こういう時は任せてください』

『そう…?じゃあ、門のところまでだけでも、お願いできるかしら?』

 

 

「門、って言ってもなぁ…」

くだんの門は、遠くに小さく霞んでいる。
てっきり、小笠原家専用の除雪車が出ているから、玄関先だけだろうと考えていたのだが。

「…清子おばさま、分かってて言ったのかな」

いや、分かってないな。あの人の場合。きっと。

「ええい、今更できませんなんて言えるか」

ザック、ばさっ…。

 

 

………。
………。

ブロロロ…。

「?ちょっと止めてちょうだい…」

祥子、玄関へと続く道すがらで、半雪だるま発見。

「…す、優さん?!

「やややややややあ、ささささささっちゃん」

道なかばで、力尽きました。

 

清子おばさま…(^^;。

2006.01.24

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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