きんしじこう

 

「日出実、これ昼休みにコピーお願い。それから例の原稿、明日までね」
「明日まで…ですか」
「できない?」
「…いえ。やります、やらせていただきますっ」

〆切間近の新聞部長さんは、多忙を極める。

休み時間になると、こうして二年松組の教室にまで部員がやってきては、真美さんの指示を待つ…という具合。

 

 

「うーん…」

新聞部のほやほや姉妹をファインダーに捉えていた蔦子さんが唸る。

「真美さん。初々しさとか潤いって言葉に、もう少し気を遣ってみる気ない?」

「…何言ってるんだか。大体、入部当初からこんな感じなんだから、そんなものとっくにないって」

真美さんは寝不足なのか、少し血走った目でジト見。

「あら、そうでもないんじゃない」

にゅふーん、と猫口の由乃さんがやってくる。

 

 

「三奈子さまとも素っ気ない感じだったけど、案外うまくやってるみたいだったし?」
「そうだね。三奈子さま、ああ見えてすごく妹思いみたいだし」

ブーッ!

「なな、なななな…」

祐巳の天然追い打ちに真美さん、なぜか汗だらだら。

「私たちには見えない部分で、すごく強く結びつき合ってる気がする」
「あー、あるある。もしかして、それが新聞部姉妹の伝統とか?」

 

 

「だから、日出実ちゃんのこともすごく大切に思ってるんだよね♪茶話会のついで…みたいな感じにしたのは照れくさいんだよ、きっと」
「ほほぅ(きらり)」
「なーるほどねぇ(キラーン)」

日出実ちゃん、赤い顔で横目でちらちら。

「は、はっ、恥ずかしい想像禁止っ!

パシャッ。

「「あ」」

蔦子さんの術中にはまりました。

 

でも祐巳のは100%天然(笑)

2006.01.30

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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