二度寝 |
「ん……んん?!」 寝ぼけ眼でめざまし時計の文字盤を確認して、がばっと跳ね起きる。 「しまった…!」 完全に寝過ごした…慌てて洗面所に駆け込むと、顔を洗うのももどかしく、寝乱れた髪をなんとか形にしようと櫛を入れる。 「よりによって今日寝坊だなんて…1限は…」 1限は……?
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「…今週、休講だった」 一瞬、時間が止まって…再び、緩やかに流れ出す。 脱力。何してるんだろう、まったく…。 居間には戻らず、キッチンでお湯を沸かしてコーヒーを入れた。 こんな日もたまにはいいか…幸い3限まで時間はある。
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もう一眠り…と布団に戻ろうとしたところで、違和感。 「くかー…」 神出鬼没。最近、いつでも現れる見慣れた顔。 「ん…おはよー。カトーさん」 佐藤さんはちぇー、と口を尖らせる。…端正な顔立ちで、そういう表情しないでほしい。
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「自分だって、二度寝しようとしてたくせに」 ジト目で、口元のヨダレのあとを指さす。 ササッ。
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景「…三度寝じゃない、あなたの場合」 |
2006.01.31 |