対汁飛び防御流用胸部装甲 |
「つゆが飛びそうですね…」 大学の麺食堂。注文して出てきたラーメンを前にして、乃梨子は呟いた。 「しまった…」 食券はクリスマス会のツイスターゲームの商品。本当は志摩子さんも誘いたかったのだが、都合がつかず断念。残念。
|
「また、あれ?」 お二人は目配せすると、制服のポケットからハンカチを取り出して、前かけのように首に掛けた。 「あの。そ、それは…」 確かにそうなのだが…いや、しかし。 「「「いただきます」」」 つるるっ…あ。意外とおいしい。
|
おっ、お子さまランチだ、お子さまランチの集団がいるー。 ………。 見える。「あの人」がこっちを指さして笑っている姿が。 激しい後悔が襲ってくるが、後の祭りだ。 乃梨子は、ひたすら麺を食べることに集中した。
|
祐巳さまと由乃さまも同じ考えのようで、恥ずかしさに顔を赤らめながら、黙々と麺をすすっている。 「ん…赤ちゃんというより、お地蔵さんだねこりゃ」 ブふぉっ! ツボった由乃さま暴発。 …なんの拷問だ、これは。
|
二度とここには来るまいと心に誓う乃梨子だった。 |
2006.02.01 |