節分のつぎのひ |
「うわー、さむいねぇ」 誰もいない薔薇の館は、余計に寒々しい。 「2月ですから」 味も素っ気もない返答を聞きながら、掃除用具入れに向かう。 「ああ…お掃除とテーブル拭きは私がやりますから、祐巳さまはお湯を沸かしてください」 祐巳を押しとどめながら、返事も待たずに台拭きを手にする瞳子ちゃん。
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ジャー… 「ああほら、先にお湯沸かしてからの方がいいよ。冷たいでしょ、お水」 「…別に」 ぷい、と瞳子ちゃんは流しから離れた。
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サッ、サッ…。 ころころ…。 「あら…」 部屋の隅を掃いていると、どこからか豆が転がり出た。 「昨日の豆ですわね…」 由乃さまがめちゃくちゃに投げるから…。
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「どれどれ…あ、ほんとだ」 ひょいと、肩越しに祐巳が覗き込む。 「どうって、水入れてスイッチ入れるだけだもん。…これって、このまま気づかないでいると、年末の大掃除でひょっこり…なんてこともあるんだよねー」
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オチ?そんなものないですよ。(^^; |
2006.02.04 |