節分のつぎのひ

 

「うわー、さむいねぇ」

誰もいない薔薇の館は、余計に寒々しい。

「2月ですから」
「はは…そうだね」

味も素っ気もない返答を聞きながら、掃除用具入れに向かう。

「ああ…お掃除とテーブル拭きは私がやりますから、祐巳さまはお湯を沸かしてください」
「あっ…」

祐巳を押しとどめながら、返事も待たずに台拭きを手にする瞳子ちゃん。

 

 

ジャー…
っ…つめた

「ああほら、先にお湯沸かしてからの方がいいよ。冷たいでしょ、お水」

「…別に」
「うそ。今、冷たいって言ったでしょ」
「言ってません」
「…とにかく、掃き掃除を先にお願い。ね?」
「………」

ぷい、と瞳子ちゃんは流しから離れた。

 

 

サッ、サッ…。
サッ、サッ…。

ころころ…。

「あら…」

部屋の隅を掃いていると、どこからか豆が転がり出た。

「昨日の豆ですわね…」

由乃さまがめちゃくちゃに投げるから…。
昨日繰り広げられたでたらめな豆まき合戦を思い出して、瞳子ちゃんはため息をついた。

 

 

「どれどれ…あ、ほんとだ」

ひょいと、肩越しに祐巳が覗き込む。
顔近っ!…ちょっ、お湯はどうしたんですか!」

「どうって、水入れてスイッチ入れるだけだもん。…これって、このまま気づかないでいると、年末の大掃除でひょっこり…なんてこともあるんだよねー」
「っいいから、ちょっ…と離れてください!」
「なんで?」
「気が散るんですっ」
「はぁい…(不満げな目)」

 

オチ?そんなものないですよ。(^^;

2006.02.04

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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