キャッチアンドリリース

 

「蓉子ー、リーダーの教科書かして」

長い髪を無造作にかき回しながら、我が物顔で聖が教室に入ってきた。
ぬぼーっとした顔は、明らかにさっきまで寝ていた証拠だ。

「あら、珍しい。忘れたからってわざわざ借りに来るなんて」
「んー。あの先生うるさいから、ないと寝てられないの」
「…どうぞ」

もはや何を言う気も失せて、蓉子は綺麗にカバーのかかった教科書を差し出した。

 

 

キーンコーンカーンコーン。
昼休み終わりの予鈴とともに、ようやく聖が来た。

「遅い」
「ん?ああ、次リーダーなんだ。…ふーん」
「?なに」
「いや別に。サンキュー」

キーンコーンカーンコーン。
起立ー…礼、着席ー。
じゃあ、本日は24ページから…。

パラ…。

 

 

大怪獣サチラ
↑どこかで見たような顔のラクガキ

 

「ごきげんがおー」
↑火を噴く大怪獣

 

 

 

〜〜〜〜っっっっっっっっ!!

 

「じゃあここを、水野さんに訳してもらいましょう」

むぐっ…く…ぅぷ。

「水野さん?」
「っは…は…ぃ…」

おぼえてなさい。覚えてなさいよ聖めぇ…っ。

 

結局、黒板前で一度吹いた(^^;。

2006.02.10

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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