ユースフル・ガイ

 

「うーん…えと、こうかな」

ピッ…ピッ

「あれっ?あれれ」

ピーッ。

「うぅぅぅぅ…祐麒ぃ〜」

 

 

テレビの前でリモコン片手に、空しい奮闘を続けていた祐巳が、涙目でソファを振り返る。

「ダーメ。この間、教えたばっかじゃんか」

新聞のテレビ欄から顔を上げずに、祐麒はのたまった。

「そういうのはさ、自分で試行錯誤しないと覚えられないんだよ。ビデオ予約ぐらい、一人でできるようになれ」

「…ビデオじゃないよ。でぃーぶいでぃーれこーだーだもん」

「同じだって。屁理屈言ってないで、頑張ってやる」

 

 

「祐麒のけち。もういいよ、頼まないから!」

「はいはい」

うーうー言いながら、祐巳は再びリモコンと格闘し始める。

しかし、所詮は儚い抵抗か。Gコードですら、入力画面までたどり着けなければ意味がないわけで。

祐巳さん、たぬ耳がへたれてきてます。

仕方ないなあ…と、なんとなく嬉しそうに祐麒が立ち上がろうとした瞬間。

 

 

「おっ、なんだ祐巳ちゃん。予約したいのか?どれどれ、お父さんがやってあげよう」
「わーいっ、お父さん大好き!
「はっはっは」

祐麒、中腰のままやり場のない手を宙にさまよわせる。

おっ、親父ぃ…っ!

出番を取られ、嫉妬に狂った目で父親の背をにらみつける、青春真っ盛りの息子だった。

 

祐麒よ…(^◇^;)

2006.02.16

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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