とうけつ |
「うぅ〜…さ、さぶい…」 がちがちがち…歯の根が合わない。 家を出るときの外気温はマイナス3度だってお母さんが言っていた。 これでお天気が悪かったら、間違いなく雪になっているだろう。 祐巳はしっかり巻いたマフラーに鼻まで埋めて、校門をくぐった。
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…と、前方を歩く3人組の中に、信じられないものを見た。 「とっ、瞳子ちゃん!」 思わず上げた声に、3人は一斉に振り向く。 「祐巳さま!ごきげんよう」 いぶかしげな顔の両脇にあるトレードマークの縦ロールが…カッチリつやつやと光って。
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「瞳子ちゃんっ、縦ロールが、縦ロールが凍ってるよ!?大丈夫?ちゃんと回る?」 「…ただの整髪料です。それに、元々回りません」 あら、冷静な反応…。 不満げな祐巳に、瞳子ちゃんは勝ち誇った顔。 「ホホホッ…そういつまでも祐巳さまの荒唐無稽な放言に振り回される私ではありませんわ」 ではごきげんよう、と息も絶え絶えな乃梨子ちゃんと可南子ちゃんを残して、踵を返す。
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「むー…」 なんかさみしい。 祐巳は背後に忍び寄ると、実力行使に出た。 無防備な両脇腹を指でツン。 「ひぃーやぁーっ……祐〜巳〜さ〜ま〜っ!!」 「やーん♪(嬉しそう)」
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そして今日も、追いかけっこが始まる。 |
2006.02.17 |