Eの戦慄 |
「失礼します」 金曜日の放課後。ノックの後にビスケット扉の向こうから顔を覗かせたのは、中等部の制服。 「菜々?!」 由乃さんが呼んだの?と祐巳さんが目で問い掛ける。
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「…で。何の用なの」 お客様を立たせたままじゃ…と、志摩子さんの取りなしで、椅子とお茶が用意された。 「よ、由乃さん…」 いや、実は嬉しいのだ。わざわざ会いに来てくれたのかと思えば、頬が緩みそうになる。 「いえ。本来部外者が来るべきではありませんから、由乃さまの反応はごもっともです」 相変わらずソツのない答えに、内心満足げに、しかし顔は厳しく、由乃は無言でお茶を一口含む。
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「実は、お手紙を預かりまして。鳥居江利子さまから」 ブーーーーッ!! 「祐巳さん…ハンカチ」 「ななななな菜々に、江利子さまが手紙っ?!」 「いえ、私ではなく由乃さま宛で」 菜々がひょいと鞄から出した手紙をバッとひったくる。
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『どう?愛しの菜々ちゃんに平日から会えて嬉しい?嬉しい? 嬉しいでしょ、このぉー(はぁと)』 グシャッ。 わなわなわなわな…。 「あの。明日も来るって言ってましたが」
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でーでん、でーでん(ジョーズのテーマ)(笑)。 |
2006.02.22 |