Eの戦慄・小次郎と武蔵 |
「…遅い。」 中等部の剣道場入り口が見渡せる木陰。 江利子さまは昨日、部活終了後の菜々を待ち伏せていたらしい。 「遅いわ、江利子さまめ」
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「そんなとこで待っていても、しようがないと思いますが」 突然背後から声をかけられて、由乃は飛び上がる。 「なっな菜々!…おどかさないでよ、もう」 土曜の午後ということで、菜々はすでに剣道着だ。 「いつ来る、と時間を指定されたわけでなし。もしかしたら、また夕方かも」 「…あなたに迷惑はかけないわ」
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「それより、部活はいいの?」 「今日は自主練ですから」 「食べません?私お昼、まだなんです」 答える前に、お腹がくー、と鳴った。 「………(真っ赤)」 そういえば、授業終わってすぐ来たんだった…。
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「…悪いわね。あなたの分もらっちゃって」 「いいえ。なんとなくこうなる気がしたんで、大目に持ってきたんです」 それはそれで、面目丸つぶれなわけで。 ぱく。 微笑まれて、うかつにも顔が赤くなってしまう。 「あ、お茶どうぞ」 ……ほのぼの〜。
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予想を裏切って、まったり( ̄▽ ̄)。 |
2006.02.23 |