Eの戦慄・千里眼

 

カア…カア…。

「結局…来なかったわね…」

戦いなくて、日が暮れて。

「そうですね」
あっさり。

別に菜々のせいじゃないのに、イライラが募る。

「菜々は悔しくないわけ?約束すっぽかされて!」

「別に約束というわけでは。明日も顔出すと思うから、くらいのことでしたし」

 

 

「そ、そうなの?」

どっと、力が抜けていく…。

「そういうことは、早く言いなさいよ」
「言いました。由乃さま、頭に血が上って聞いてませんでしたが」
「ぐっ…」

まさに、ぐぅの音も出ない。

「帰りましょうか」
「………そうね」

二人は並んで、校門へと歩いた。

 

 

「あれ、由乃」

「!令ちゃ…お姉さま」
「先に帰ったと思ってた。やあ、菜々ちゃん」

隣に菜々がいるのを見て、令ちゃんは一瞬複雑そうな顔をしたが、きちんと笑顔で挨拶した。

「そうそう。授業終わった後、お姉さまと会ってね」

ブッ!

「なんだかよく分からないけど、この手紙を由乃にって」
「かっ、貸して!!」

ガササッ!

 

 

『一日中ふたりきりで、楽しかった?楽しかった?
にくいわよ、このぉー(はーとまぁく)』

グシャ…ッッ!

あっ…あのデコ様めぇぇぇぇぇぇっっっ!!!

 

『この手紙を読んでいる時点で、あなたはすでに負けている♪』

2006.02.24

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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