ぐーぐー

 

「祐巳さん。今、『おなかすいたなぁ…』って思ってるでしょ」
「えっ!」
「今日は朝ご飯を抜いてきた!(びしぃ)」
「な、なぜそれをっ!」

久々に、エスパー由乃さん?!と祐巳びっくり。

「…その顔を見ていれば、誰でもわかると思いますけど」

瞳子ちゃんの冷静なツッコミ。

朝の薔薇の館。ちょっとした準備のため、全員集合中。

 

 

「祐巳ちゃんで朝ご飯抜きっていうと、あれを思い出すなぁ。カエルの独唱

ブッ!

「…令。やめてちょうだい」
「なにそれ。私、知らない」
「あの時は由乃、休んでたからね」

祐巳があわわわしているうちに、由乃さんは令さまから事件の概要を聞き出してしまう。

「お腹の音でカエルの独唱…」

一同の頭に、聞こえるはずのない「ぐぎょろろろ〜」という音が響き渡る。

 

 

一応こらえてみせたものの、ぷっくく…と、由乃さんはすでに涙目。

志摩子さんでさえ口元を押さえ、乃梨子ちゃんも相当やばい。

お姉さまは、別の意味でお顔が真っ赤。

「…あんまり恥をかかせないでちょうだい、祐巳」
「う、うぅ〜、すみません」

ゆでだこ状態の祐巳が唸った瞬間、きゅるるる〜とお腹も小さく鳴った。

それを合図に、室内は爆笑の渦。

 

 

穴があったら入りたい…というか、むしろ埋まってしまいたい。

ふと隣の席を見ると、瞳子ちゃんが伏せた顔を片手で覆ったまま、ぷるぷると震えている。

「そっ、そんなに笑うことないじゃない、瞳子ちゃんのイジワルっ」

しかし…。

(可愛いなんて思ってません、思ってません思ってません――!

 

実は、正気に戻ろうと必死だった(笑)。

2006.03.03

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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