ぐーぐー |
「祐巳さん。今、『おなかすいたなぁ…』って思ってるでしょ」 久々に、エスパー由乃さん?!と祐巳びっくり。 「…その顔を見ていれば、誰でもわかると思いますけど」 瞳子ちゃんの冷静なツッコミ。 朝の薔薇の館。ちょっとした準備のため、全員集合中。
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「祐巳ちゃんで朝ご飯抜きっていうと、あれを思い出すなぁ。カエルの独唱」 ブッ! 「…令。やめてちょうだい」 祐巳があわわわしているうちに、由乃さんは令さまから事件の概要を聞き出してしまう。 「お腹の音でカエルの独唱…」 一同の頭に、聞こえるはずのない「ぐぎょろろろ〜」という音が響き渡る。
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一応こらえてみせたものの、ぷっくく…と、由乃さんはすでに涙目。 志摩子さんでさえ口元を押さえ、乃梨子ちゃんも相当やばい。 お姉さまは、別の意味でお顔が真っ赤。 「…あんまり恥をかかせないでちょうだい、祐巳」 ゆでだこ状態の祐巳が唸った瞬間、きゅるるる〜とお腹も小さく鳴った。 それを合図に、室内は爆笑の渦。
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穴があったら入りたい…というか、むしろ埋まってしまいたい。 ふと隣の席を見ると、瞳子ちゃんが伏せた顔を片手で覆ったまま、ぷるぷると震えている。 「そっ、そんなに笑うことないじゃない、瞳子ちゃんのイジワルっ」 しかし…。 (可愛いなんて思ってません、思ってません、思ってません――!)
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実は、正気に戻ろうと必死だった(笑)。 |
2006.03.03 |