みみかきあて |
「まったくもう」 たはは…と頭をかく令ちゃんに、祥子さまプンスカ。耳がまだ少し赤い。 「どうぞ」 そこへ、あの後やって来た瞳子ちゃんが、いいタイミングでお茶を差し出す。 ずず……。 室内の空気が、なんとなく落ち着いた。
|
瞳子ちゃんも、席についてカップを傾ける。 「でも…耳そうじかぁ」 「(ずず……)」(←ものすごく嫌な予感) 「ねえ、瞳子ちゃん」 むー、と考える祐巳さん。
|
「じゃあ、当たったら瞳子ちゃんが予想した通りにしてあげる。その代わり、外れたら耳そうじさせてね」 えーと・・・? 「それじゃ結果は同じじゃないですかっ!」 ほんとに仲良いなぁ…と隣の令ちゃんと顔を見合わせる。
|
その時。会話に入っていけずに肩を震わせていた祥子さまが、ついに立ち上がった! ガタンッ「祐巳!」 一斉に、全員の注目が集まる。瞳子ちゃんは、「救いの神」とばかりに期待の目。 「私が先よっ!」 「はい、お姉さまっ(にこぱっ)」 あ。瞳子ちゃんが、床でぴくぴくケーレンしてる。
|
由「…それでいいの、祥子さま」 令「(分かる。分かるわ祥子)」 |
2006.03.08 |