みみかきまだ

 

「おおよその成り行きは理解しました」

 

志摩子さんと連れ立って入ってきた時は、一体何事かと思ったが…。

なるほど、紅薔薇さまが満ち足りた表情で青空を見上げているのは、済んだあとだからだろう。

そして、あっちでわめいている瞳子は、これからということに。

 

 

「…いいですか、祐巳さま」(←結局、押し切られた)

気むずかしい顔で、瞳子が念を押す。

「上級生の方にこんなことをさせるというのは極めて異例ですし、それ以前に失礼に当たりますし、私としましても本意ではないのですが、祐巳さまがどうしてもと仰るから…」

 

「膝枕の体勢であんなこと言っても、説得力ないなー」
「ああして、自分の理性と折り合いをつけているのでしょう」

珍しく薔薇の館に遊びに来た可南子さんが、すまして論評する。

 

 

「そこっ、何を勝手なことを言っているんですか!」
がばっ。

「ああ、動いちゃだめ」
ぐいっ、もふっ。

「ゆゆゆゆ祐巳さまっ、これでは向きが逆…もがっ」

さら…。
「わー…瞳子ちゃん、耳ちっちゃいね」
「な…っ」

 

 

ちょい。
「あれ、どんどん真っ赤になってきた…?」
「みみみ耳を触らないでくださいっ!
「でも、触らないと耳そうじできないよ」
「とっ、とにかく触るの禁止ですっ。…あと、耳に息を吹き込むのもダメです!
「えー…(不満げ)」

ずず…。
ふぅ。

このピンク空間はいつ解除されるのだろう、と緑茶をすすりながら考える乃梨子であった。

 

最終的に押し切られちゃう瞳子ちゃんが好きです(笑)。

2006.03.09

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

お名前  mail

  ご意見・ご感想などありましたらどうぞ。