言いたいこと |
小笠原祥子。 この子は育った環境もあるけれど、自分の意見をはっきり伝えるのが苦手。 よく、ムッとしたまま、何かに腹を立てている。 今日もそう。 薔薇の館のテーブルの前で、無言のまま、微かに頬を膨らませている。
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「そうして、黙っているのね」 私はついに、椅子を鳴らして立ち上がると、祥子に言った。 「でも、それじゃ分からない。言いたいことがあるなら、はっきり言いなさい」 祥子は微かに肩を震わせると、うつむけていた顔を上げた。 「…それでは言わせていただきますけれど。」
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「きゃーっ、これも可愛いわ祥子ちゃん!」 「今度はこっちのリボン結んでみましょう、リボン」 「じゃあ、髪もまとめないと」 「フリルがいっぱいついた服とか、着せてみたいわぁ」 「ナイスッ、白薔薇さま」 「いいわね、今度持ってきましょう」
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「…後ろの薔薇さま方を何とかしていただけないでしょうか」 「ごめん、それムリ(笑顔)。」 「そんなあっさり…」
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蓉子「そして、リボンも確かに可愛いわ祥子♪」 |
2006.03.11 |