ハセクラ |
4月某日。 きゃーーーーっっ! 「なっ、なに、なに?!」 剣道場更衣室のドアをがちゃっと開けた瞬間、悲鳴が上がったので、令はあわてて室内を見回した。 「れっ令さまよ、令さま…!」 と、小声で囁き交わす部員たち。
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「「「ご、ごめんなさい令さま。大声出して申し訳ありません」」」 「ははは、別にいいよ」 恐縮しまくって頭を下げる彼女たちに、軽く手を上げる。 そうか、新一年生たちか…。 こういう反応は慣れっこになったとはいえ、悲鳴上げられると、ちょっとへこむなぁ…と、背を向けてタイに手をかける。 思い切りよく制服を頭から抜くと、スリップの肩ひもに手をかけた。
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………。 何やら視線を感じて、手を止める。 くるっ。 いくつもの視線が、令と目があった瞬間、ササッと逸らされる。 「どうかした?」 「「「いいえ、どうぞお気になさらず」」」 「…?」
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(令さまって、やっぱり素敵ねぇ…)
うう…やっぱり視線を感じるなぁ。
〜薔薇の館〜
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タイトル深読み希望。 |
2006.03.13 |