ぬいぐるみ・まっくす |
「うわー、すごい!」 「聞きしにまさる腕前ですわね」 令さまの手にした由乃さんぬいぐるみ(たぶん35体目)を囲んで、感嘆の声を上げる面々。 令さまは照れ笑い。
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祐巳は、ぬいぐるみを手に取って、じーっ…。 なにやら物欲しそうな顔。 「あの…令さま」 「ん?ああ、祥子の作ってほしい?」 どうしてわかったんですか?!という顔。 百面相、健在なり。
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「祐巳。令だって、受験勉強で忙しいのよ。遠慮なさい」 我関せずと、紅茶をすすっていた祥子さまが、カップを置いて、祐巳をたしなめる。 「あ…。すみません、令さま私…」 恐縮してうなだれる祐巳に、令さまが笑う。 「いつだったか、特大サイズの祐巳ちゃんぬいぐるみを頼まれたときに比べたら…」
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それは内緒だって言ったじゃない!とかなんとか、小声で囁いておられるが、丸聞こえである。 「お、お姉さま…」(←嬉しそう) 「………」 「ん?どした、瞳子。壁に向かって立ったりして」
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瞳子「私は、壁に向かって立つのが好きなんですっ」 |
2006.03.20 |