桃色時空

 

「本当にすごいとこだよ、ここ」
「もう、『ごきげんよう』が頭から離れなくてさ」
「どこもかしこも、空気がピンクなんだよピンク。わかる?!」
「大げさな…」

言いつつ、自分も最初は「あったま痛い…」と思ったなー、と乃梨子はちょっと同情する。

「ああ、そのぶっきらぼうな物言い。やっぱり乃梨子だよー」
「天下のリリアンでもその黒さ。さすがだよー」
「殴るよ、グーで」

 

 

やがて、落ち着いてきた頃。

彼女たちはようやく、乃梨子の少し後ろに、誰かがにこにこ笑って立っているのに気付いた。
しかし、どうしたことだろう。マリア像は背後にあるはずなのに、そこにもマリア様がいるではないか。

「「「……(ぱくぱく)」」」

だ、だ、誰?誰っ?!と、せわしなく視線を往復させながら、乃梨子に目で訴える。

「ああ、こちら志摩子さん。2年生で、えー…」

さて、彼女と自分の関係をどう簡潔に説明したものか。
部外者に「姉妹システム」を理解してもらうには色々と…。

 

 

「藤堂志摩子です。乃梨子の姉(スール)なの、よろしくお願いするわね」

乃梨子が言い淀んでいるうちに、微笑み一発。

「「「そうなんですか〜」」」

よく分からないけど、もの凄い説得力。

「「「姉…って?」」」

「えーと。だから、私のお姉さまで…」

「「「………」」」

 

 

 

リコ…あんたもう、すっかりピンク色に染まってるよ。

 

ほっとけよ。

 

 

乃(この子らには、とても瞳子は見せられんな…)

2006.03.28

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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