「マリア様がみてる」(3)いばらの森感想
トビラをめくると… うおっ、誰じゃこりゃ!(笑)…っていうのが第一印象。祐巳すけのアップなんですが、明らかに受ける印象が違います。先日2巻を読み返したばかりだったので、余計に感じたのかもしれませんが、かなり絵柄が変わっています。「白き花びら」に合わせるために頭身が少し上がって、顔も全体的に大人びた感じに。でもけっして悪い変化じゃなくて、どんどん原作のイメージに近くなっていく感じ。原作通り、「いばらの森」と「白き花びら」がまるで別の作品であるかのような印象を強く残していて、素晴らしいと思いました。
まずは「いばらの森」 はじめにひと言。完璧です。アニメと比べるとよく分かりますが、少ないページ数でエピソードをカットするのは同じですが、見せ場の残し方がうまいというか、見せるところはトコトン見せる・描き込む。ナイス!…ただ一点、新聞部がまったく出てこないことを除けば(^^;。
由乃さん&令さま 実は今回の主役。いやホント、黄薔薇革命よりもだんぜん輝いていました。特に由乃さんは独壇場で、出てくるコマ出てくるコマ可愛い可愛い!こりゃ、令さまじゃなくてもメロメロですよ。そうか…黄薔薇姉妹のネタを探すとき、考えなしに「黄薔薇革命」を読み返すことが多かったけど、「いばらの森」こそがこの姉妹の味が最もよく出てる巻なんだ…と再確認。由乃&令ファンには垂涎のデキです。とにかく拗ねる、ほっぺた膨らませる、クッションを投げつける、ダダをこねる。どれもが可愛くて、「いばらの森」のうわさ話を聞いてもらいたくて拗ねてるとこや、祐巳が遊びに来たときの由乃さんは、まさに殺人的に可愛い。そして、コタツに入り寝そべって油断しまくりの状態を祐巳に見られた時の令さまの反応がまた…。絵があるとこんなに違うものなんだと、感心。
絵柄的には、祐巳が少し大人びた分、由乃さんが幼く見えて、崩しも多く、より可愛らしくなっている。イケイケゴーゴーな感じ全開(笑)。令さまは絵柄的には落ち着いていて、「黄薔薇革命」のときよりも、さらに原作のイメージに近い。とにかく黄薔薇姉妹バンザイ。
祐巳 髪型が大盤振る舞いで変わるせいもあってか、この巻の中で最も絵柄が変わっている。髪を下ろして真剣な顔をしていると、別のキャラみたいにしっとりとした感じ。崩しは前巻までと比べるとだいぶ少なくて、由乃さんにお株を奪われているものの、令さま・由乃さん・祐巳のトリオが非常に心地よくて、特に令さまとのカラミがほのぼのしていて良い。祥子さまがらみでは、原作よりもイチャイチャしてて(笑)、これもまたよし。
祥子さま 祐巳以上に前巻までと絵柄が違う。全体的に線が少なくなって(特に目元まわり)アニメの方に近付いた感じ。可南子ちゃんに見えることはほとんどなくなったが、角度によっては逆に似ているところも。和服姿はアニメより全然似合っていたし(このシーンがカットされなかっただけでもアニメ版より上手く見せている)、ラストシーンのリボン結びは今回イチオシのカット。
紅薔薇さま&黄薔薇さま 原作通り、出番は少ないですが、2人とも絵柄は完成されているので、目立った変化はなし。しかし、「事情を知っている人たちがみんな口をつぐんで守っている」の部分は、ホレました。特に江利子さま、カッコイイ!この方はこの方なりに、聖を大切にしてるんですね。それがこのカットと、「異議なしですわ、紅薔薇さま」に凝縮されています。そして紅薔薇さま。銀紙の王冠でゴキゲン…このお姿は、「白き花びら」を読んだ後だと、よりグッときますね。蓉子は嬉しかったんだと思います。聖が、山百合会全員がそろってのクリスマスパーティー。だからこんなにはしゃいでるんじゃないかな。なんて素敵な方たちなんでしょう。ああ…やっぱり私は先代好き。
志摩子さん これまた、えらく絵柄が変わってました。ふわふわ巻き毛が、ちょっと少な目になった印象。ただし、「白き花びら」のラストは原作にごく近い髪型と印象。出番が最も少ないのも、原作通り。
脇の方々 蔦子さんは、「アラレちゃん」でした(笑)。「白薔薇さまと目が合っちゃったうふふ」には吹きましたよ(笑)。桂さん出てたよね?ね?新聞部姉妹は、1カットも出番がなかったのに(^^;。かえすがえすも、三奈子さまの出番がカットされたことが悔やまれます。最近、私の中で三奈子さま株が急上昇なので、ぜひともオチャメな姿を見たかった。あと、春日せい子さんは、さすがにきつかったですね、絵柄的に(^^;。お年寄り描くのは苦手なようで。祐麒は例によって1シーンだけ。
あと、全然関係ないんですが、おまけコスプレカット、クマ由乃とトラ祥子さまが、えらく本性をついてて大笑い(笑)。アザラシ江利子は素で吹きました。ありゃ、ラッコだよ(笑)。
白薔薇さま 「白き花びら」に合わせて、絵柄もかなり変更。髪の長さも原作に近いものに。原作では、挿絵のない場面は想像するしかなかったのが、マンガになることで表情の微妙な変化がよく分かるようになりました。「いばらの森」を読み終わった直後の気だるい感じとか、「大切な人にさえわかってもらえればそれでいいの」のセリフは、「白き花びら」冒頭を読んだ後だと泣かせます。今の聖さまは大切なものをたくさん見つけたんですね。良かった良かった…(ホロリ)。「合わない方がいいから」のセリフと表情は、やはり見事。惜しむらくは、生徒指導室前での祐巳とのやり取りが削られていたこと。倒れてきた祐巳を支えるところ、実は大好きなんで。
「白き花びら」 頭身がさらに上がって、当然ながら崩し絵は一切なし。別のマンガのようですが、これぞ原作の持つ表裏一体な白薔薇さまのイメージ。ラストが詰めすぎな感は否めないものの、栞さんはよく描けていた(特に温室シーン)のでおおむね満足。実は蓉子さま寄り(笑)。
聖さま 冒頭の冷めっぷりから栞との出会い、お見事です。温室のシーンと「マリア様がみているから…」のシーンは、まさにイメージ通り。ラストをオリジナルにまとめすぎているのが、少し残念かな。救いのないままの終わりが好きでした。だからこそ、のちの「片手だけつないで」の希望につながるので。それと、後述しますが、先代・白薔薇さまとのからみだけが残念でなりません。
栞さん 今までで最強キャラですね。絵柄にしても気合いの入り方が違います。イメージ的には、「三年になった志摩子さん」というのが第一印象。原作の祥子さまが少し混じっている感じ。アニメとはだいぶ違いますが、こっちの方が数段好きですね。そして、原作を読んでいた時以上に、聖に救いを与える天使のイメージ以上に、「まだ彼女は1年生なんだ」という人間らしい弱さが垣間見えて、彼女のイメージを作り上げていました。「マリア様がみているから…」は作品のタイトルに恥じない名シーン。ただ、ラストがやっぱり急ぎ足で、手紙のモノローグにかぶせてオリジナルな展開をするので、ちょっと違和感が。駆け落ちの約束した後は、一度も出てこないからこそ、ラストが際立つので、駅のホームから実際に覗いているシーンは蛇足だったかな、と。原作よりもアニメよりも、色々な意味でずっと「リアル」なキャラでした。
先代・白薔薇さま うむぅ…。キャラクターデザインはともかくとして、原作を読んだときの「聖のお姉さま」という圧倒的な存在感がない。その意味では、アニメ版に負けている。しかも、セリフがマンガで分かりやすいように変えられていたのだが、それが名セリフなだけに非常に残念。「孫の顔を見ることだけが生き甲斐の、おばあちゃんじゃないのよ?」→「あなたの妹の顔を見ることだけが生き甲斐の姉じゃないわ」は違和感ありまくり。そして、それに続く伝説の名セリフ「それより、約束を違えないでちょうだい。あなたは私が卒業するまでは、ちゃんと私の側にいるのよ」がカットされたのだけは納得行かないですね。そして、ラストを卒業シーンにまとめたせいで、「あなたには私がいるでしょう〜私はあなたの扱い方が上手いの、知っているでしょ」が改編されていたのも…ここはすべてのセリフを余さず引用してほしかった。ラストの「そう?」は微笑みというより、満面の笑みをイメージしてたんですが。先代は紅・黄ともにまったく顔見せなしでした。
蓉子さま らぶりー(笑)。蓉子さま可愛い、そして健気…。完全に「夫の帰りをいつまでも待ち続ける、耐える妻」って感じで(笑)。ラストの聞こえない「ありがとう」はオリジナルでしたが、それを受けての蓉子さまの顔が…恋する乙女じゃん、これ(笑)。祐巳を見る最近の瞳子ちゃんの視線そっくりだ(笑)。
総括。 全体的な完成度では「いばらの森」の方が上でしたね。「白き花びら」は、あと10ページあれば…と思わずにはいられません。そこまでのデキが良かっただけに。次巻予告は、またしても絵柄が大変わり(^^;。祐巳なんて別人だよ、もはや(^^;。さてさて、「長き夜の」+「ロサ・カニーナ」の完成度やいかに?!巻末マンガはあまりにイメージ通りで大笑い(笑)。
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