(みゃあ)奥様戦隊はこちら

奥様戦隊2

 

「私、剣道はじめよっかな」

「えっ」

「令ちゃんのいとこなんだし、才能はあると思うんだ」

無邪気な顔で、由乃が笑う。

令の世界で一番好きな笑顔で。

「そしたら来年は、田中さんに一本勝ちして、令ちゃんの仇をとってあげるね」

 

 

来年、三年生の田中さんは太仲にはもういないけど、今はそんなことを言う必要もないことだ。

「フ……それじゃ、せいぜい大将の座を奪われないようにしないとね」

令は静かに顔を寄せて、由乃のきらきらした瞳を覗き込んだ。

「ふふっ」

「フフフッ」

やがて、二人は笑い出した。

お互いの吐息が頬にかかって、くすぐったかった。

 

 

翌日…。

薔薇の館。

「ごきげんよう!お姉さま」

「ご機嫌ねぇ、令。 おでこで『コツン』…私もしてみたいわ」

がしゃぐわったーん!

「あ、あ……」

「令もなかなかやるねぇ」

「でも、医師に無断でガーゼを剥ぐのはいけないわ。手術後の傷口に雑菌が入ったらどうするの?」

 

 

「いっ、一体どこから覗いてたんですかっ、お姉さま方?!」

「フフ…油断大敵、ね」

「しかし、あそこで『コツン』はないでしょ。あそこまでいったら、こう一気にぶちゅ…」

「わーっわーっ!!」

壁に耳あり障子に目あり、奥様戦隊ここにあり。

 

ほら、あなたの後ろにも…(笑)。

2004.02.07

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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