若き瞳子の悩み

 

「はぁ…」

瞳子は、今日何度目かになるため息をついた。

自慢の縦ロールを指で弄んでは、やめる。

勉強にも、演劇部の練習にも、どうにも身が入らない。

気が付くと、先日の祐巳さまのことを考えている。

 

『お姉さま…って、呼んでくれない?』

 

 

「一体どういうつもりで…」

ため息とともに、これも何度目かの呟き。

お姉さま。

それは、妹がグラン・スールを呼ぶときの呼称。

「…馬鹿馬鹿しい!」

瞳子は頭を激しく左右に振った。縦ロールも合わせて揺れる。

「誰が呼ぶもんですか。大体なぜ私が祐巳さまなどに…」

お姉さまなんて―――

お姉さまなんて…

 

 

(ぽわわわわん…)

 

『あら…?タイが曲がっていてよ』

『あっ……ゆ、祐巳さま』

『フフ…『祐巳さま』じゃないでしょう、瞳子?

『は、はい………お姉…さま』

 

 

「何してるの、瞳子ちゃん?」

「ぎゃーーーーーーーすっっ!!」

世にももの凄い悲鳴(?)を上げて、瞳子は飛び上がった。

「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、祐巳さまっ?!」

「ど、どうかしたの?」

「いいえっ、全然まったくこれっぽっちも考えてませんわ!ええ、そんなこと私が考えるはずないじゃありませんか!!」

「え、えーっと???」

顔の横で、縦ロールもどるんどるんと揺れて、力いっぱい否定していた。

 

瞳子ちゃん、美化しすぎ(笑)。

2004.02.19

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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