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支倉令は、肩を落としながら道場へと向かって歩いていた。 確かに試合が近くなって練習に打ち込んでいるために、身体から疲れが抜け切れていない部分もある。 が、それ以上に彼女を疲れさせるものがあった。 前回は嬉しかった。でも今回は…
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「あ、令さ・・・・・」 彼女に声をかけてきてくれる生徒もいる。 が、必ず途中で言葉が止まり…そして同情の目をして去ってゆく。
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「はぁ…なんだか死にそう」 令にはその原因は勿論わかっている。 わかってはいるが、解決策が全く無い。 それが彼女の心をいっそう重くしていた。
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背中一面に貼られた数々の付箋 『令ちゃんは私の! by:由乃』 『令は私の妹♪ by:江利子』 『黄薔薇さまよりも私の方が令ちゃんとって大切! by:由乃』 『いつも令は『お姉さま』って頼りにしてくれるわよ♪ by:江利子』 『黄薔薇さまばっかり贔屓して! by:由乃』 『まだまだね、由乃ちゃん♪ by:江利子』 『令ちゃんのバカ! by:由乃』 知ってはいるが、はがすにはがせない… ホワイトボードと化している令の背中に、哀愁が漂っていた。
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(みゃあ)貼られる前にかわせばっ…無理か(笑)。 |
2004.03.13 |