ロックオン

 

う…ん、どうしよう。
あれ以来、祐巳さんったら瞳子ちゃんにお世話されどうしなのよね。
見ているこっちが恥ずかしくなるぐらいいちゃいちゃしどうし…。
志摩子さんは乃梨子ちゃんといまだに初々しい雰囲気かもし出してるし…。
祥子さまは二人をやさしい眼差しで見てるし(なんか嬉しそう)。
令ちゃんはそんな祥子さまの様子を見て私に何か言いたそうにおろおろしてるし…。

なんか薔薇の館に行きづらいな…。

 

 

まさか祐巳さんがこうもあっさり妹を作ってしまうとは思わなかったわ。
早く私も妹作らなくちゃ…。

とはいってもね。身近なところでというとこの子達なんだけど…。
近くに座っている剣道部の一年生をまじまじとみる。
見られた1年生たちはドキッとしていっせいに背筋を伸ばした。
なんと言っても黄薔薇の蕾、しかも可憐な黄薔薇の蕾のイメージとはは程遠い殺気のこもった一振りを令さまに打ち込む姿を目の当たりにしている。萎縮せずにはいられなかった。

「はぁ…。」
この子たちってお姉さまいるのよね…。

 

 

後は…やっぱり、あの子しかいないよなぁ…。

性格は問題ないわよね。祥子さまにさえ食ってかかるぐらいだから私に言われっぱなしてこともないだろうし…。

傷心のところを付け入るのはいいとして、問題は薔薇の館よね…。
うううん。どうしよう…。
悩んでも仕方ないわ。悩むのってしょうに合わない。攻撃あるのみ!

放課後、私は人気のない裏庭に可南子ちゃんを呼び出した。
「あの、お話という言うのは…。」
「可南子ちゃん。私の妹になる気ない?」
「はぁ?あの、それは正式な申し込みでしょうか?」
「もちろんそうよ。」
「そうですか。でしたら申し訳ありませんがお断りいたします。」
「それってやっぱり祐巳さんのことで…?」
「いえ、祐巳さまと瞳子さんのことではありません。私はもともと祐巳さまの妹にはなるつもりはありませんでした。」

 

 

「じゃ、どうして…。」
「私、来春、新潟の高校に転校しようかと思っているです。ですから妹にはなれません。」
そう、言って頭を下げると可南子ちゃんは校舎のほうへと歩いていった。

と言うことは、別に祐巳さんのことでも私でだめということでもない訳よね。
見てなさい。あと1ヶ月で必ず落として見せるから!


過去、黄薔薇家からの攻撃を振り切れた者はいない。
黄薔薇家の攻撃から逃げきれるか可南子ちゃん。タイムリミットは11月30日!

 

(みゃあ)可南子ちゃん、にげてー!(えー)

2005.1.6

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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